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月経トラブル

子宮が妊娠に備えて準備した子宮内膜を、一定の周期で血液をともに排出する、これが月経です。
初めての月経(初経)から閉経まで、女性は実に約40年も月経とつきあっていきます。
女性にとってはとても大事な体のしくみですが、ホルモン分泌の変動によってイライラ、憂うつ感、下腹部痛や腰痛など様々なトラブルも発生します。
ここでは月経や子宮などのさまざまなトラブルの症状、原因、治療法をご説明します。
症状によっては原因となる病気がひそんでいるケースもありますので、「ちょっとガマンすれば大丈夫」と楽観視せず、婦人科へご相談ください。

月経痛

症状
下腹部が強く押されるように痛む、重い鈍痛が続く、腰が痛む、吐き気を伴う、など。

月経痛は、子宮内膜で作られる物質プロスタグランディンが、子宮内の経血を体外に押し出すために子宮を収縮させることで起こります。
このプロスタグランディンが多すぎると、収縮が強すぎて激しい痛みを伴います。
痛みを和らげる鎮痛剤や漢方薬、低用量ピルが有効です。
痛みの原因が子宮内膜症、子宮筋腫など病気によるものの場合は、その治療が必要となることがあります。

月経不順

月経の周期は約25~38日の範囲内が正常。24日以内と短い期間で次の月経が来る場合を「頻発(ひんぱつ)月経」39日以上3か月未満と長い期間が空く場合を「稀発(きはつ)月経」といい、長すぎても短すぎても注意が必要です。
排卵が起きていないケースもあり、不妊を引き起こす可能性があるため早めに受診してください。
無排卵症による月経不順の場合、排卵誘発剤やホルモン剤による治療を行います。
過度なダイエットやストレスなどによるホルモンバランスの乱れが原因となることも少なくありません。
また、更年期になると、月経が不順になりがちになります。

過多月経・過少月経

生理用ナプキンが1時間ももたない、レバー状の固まりが多く出るなど経血量が多い状態を「過多月経」といいます。
月経期間が8日以上と長い「過長月経」の場合に、起こりやすい症状です。
反対に、ナプキンを1日のうちに1~2回しか交換しないで済むほど出血量が少ない「過少月経」は、月経期間が2日以内と短い「過短月経」の場合に起こりやすい症状です。
過多月経は、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどの病気が原因となることがあります。
また、過少月経は、ホルモンバランスの乱れなどの可能性があるため、いずれも婦人科で検査し、必要に応じて治療を行うことが大切です。

無月経

妊娠や授乳中以外で3か月以上月経がない状態を「無月経」といいます。
18歳になっても初経がない場合は、染色体の異常、子宮や卵巣の先天的な異常、男性ホルモンの多量分泌などが原因として考えられます(原発性無月経)。
月経があったのに止まってしまった場合、ストレス、過度なダイエット、不規則な生活などが原因となるケースが多くあります。
また、甲状腺の病気が原因のケースもあります(続発性無月経)。
無月経の期間が長くなると卵巣の機能が戻りにくくなるため早めに受診し、ホルモンの投与、原因となる病気の治療などを行うことが必要です。

月経前症候群(PMS)

症状
イライラ、不安感、落ち込む、やる気の喪失、疲れやすい、眠くなる、乳房の張り、むくみ、下腹部痛、腰痛、頭痛、肩こり、肌あれ、便秘、発熱、など。

月経前はホルモンの分泌が急変動し、自律神経を乱すため、月経が始まる1週間ほど前から上記の症状が出やすくなります。
月経が始まるとおさまる一時的なケースが多いですが、日常生活に支障をきたすような場合は治療をおすすめします。
症状に合わせて漢方治療、ホルモン療法、サプリメント処方を行います。

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